経済格差

「可能な者から先に裕福に、そして落伍した者を助けよ」という先富論は鄧小平によって唱えられたものだ。中国の経済発展の上で、先に裕福になったのは港湾などのインフラを備えた中国東部や沿岸部だった。中国のGDPは年々上昇しているが、上海、北京のような都市部と貴州省のような内陸部では所得にきわめて大きな開きが存在する。これは労働者の賃金にも同じことが言え、アジア諸国の中でもその振れ幅は特に大きい。

人の流れは水のごとく

戸籍制度が変更され農村からの農民の移住が可能になると、内陸部の農民たちが工業地区に出稼ぎに向かうようになった。彼らは安価な労働力として歓迎されたが、農作放棄やスラム街の形成といった問題を引き起こし、中国政府も対応に追われている。